中国・習氏、選挙は「真の民主ではない」 国家指導層の交代にも言及

北京=冨名腰隆
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 中国の習近平(シーチンピン)国家主席は13、14日に北京で開かれた議会制度についての会議で演説し「国の政治制度が民主的かという評価は、国家指導層が法に従い、秩序をもって交代できるかどうかで決まる」と発言した。長期政権に意欲的とされる習氏だが、過度な権力集中への懸念もくすぶる。終身制を否定することで、政権の正統性を示す狙いがある。

 中国には日本の国会にあたる全国人民代表大会(全人代)のほか、各地方政府にも議会があり、村レベルでは直接選挙も実施されている。だが、議会活動は共産党の指導下で行われることが原則だ。議会制度のあり方を議論する初の会議で、習氏ら党最高指導部メンバーなどが出席した。

 習氏は民主主義について「全人類共通の価値であり、中国共産党と国民が堅持する重要な理念だ」と強調した。民主主義の評価は指導層の健全な交代のほか、公平な競争で指導体制に参加できるか▽政権党が憲法や法律に沿って国家事業を指導できるか▽権力の運用が効果的に監督されるか――などで決まるとした。

 一方、選挙制度について「国民が選挙の時だけ聞こえの良いスローガンを聞かされ、選挙後は何の発言権もなく、票を集める時だけ甘やかされて選挙後は疎外される。これは真の民主ではない」と西側諸国を牽制(けんせい)。「民主主義は少数国の専売特許ではない。一つの物差しで世界の多彩な選挙制度を測ること自体が、非民主的だ」とした。

 国家指導者の交代については、習氏は2014年の全人代成立60年記念大会でも同様の発言をしている。ただし、その発言内容は19年まで明らかにされなかった。18年の憲法改正で国家主席の任期を撤廃した習氏にとって、こうした発信は毛沢東のような終身制の指導者は目指さないことをアピールする意味を持つ。(北京=冨名腰隆