レバノン首都で銃撃戦 6人死亡、30人負傷 爆発事故めぐるデモで

ドバイ=伊藤喜之
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 中東レバノンの首都ベイルートで14日、銃撃戦を含む武力衝突が発生し、少なくとも6人が死亡、30人が負傷した。犠牲者はイスラム教シーア派組織ヒズボラの支持者とみられ、宗派間対立が背景にあるとの見方がある。

 地元メディアによると、現場はシーア派とキリスト教徒がそれぞれ住む地区の境界で、1975~90年に断続的に続いた宗派間対立の内戦の最前線にもなった場所だという。衝突が起きたのは、昨年8月にベイルート港で約200人が死亡した爆発事故の真相究明を進める裁判官の解任を求め、ヒズボラ支持者らがデモを行っている時だった。

 爆発事故をめぐっては当時の港湾や公共事業を担当する大臣らが問題を把握しながら、放置していた可能性が指摘されている。調査を担う裁判官の法的な責任追及の矛先は元大臣のシーア派政治家にも及び、ヒズボラが反発していた。

 マウラウィ内相は「狙撃手による発砲があった」と指摘したが、どの勢力が関与したかは言及しなかった。ヒズボラは事件後の声明で対立するキリスト教マロン派の民兵組織「レバノン軍団」の犯行だと主張したが、レバノン軍団側は強く否定している。

 レバノンは爆発事故後に退陣した内閣の後継が決まらず、1年以上の政治空白が続いた。今年9月にようやくミカティ首相率いる新内閣が発足したが、経済は破綻(はたん)間近で国民の過半数が貧困状態にあるとされるなど多岐の課題を抱え、混迷が続いている。(ドバイ=伊藤喜之)