40年前の炭鉱ガス突出事故の記憶、後世に 夕張でシンポジウム

斎藤徹
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 北海道夕張市で起きた「北炭夕張新炭鉱ガス突出事故」から40年を迎え、記念シンポジウムが15日、同市内であった。市民ら約70人が参加し、大惨事の記憶を継承していこうとの思いを新たにした。

 事故は、1981年10月16日に発生。同炭鉱の坑内でメタンガスが発生。火災も起き、93人が犠牲になった。同炭鉱は翌82年に閉山。夕張の石炭産業に決定的な打撃を与えた。

 シンポは夕張の歴史を研究する夕張地域史研究資料調査室が主催。事故後に夕張に入り、現場の様子を撮影した写真家の萩原義弘さん(60)は「事故後、炭鉱住宅が並んでいた褐色の街は建物が壊され木々が生い茂る緑の街へと変貌(へんぼう)していったが、炭鉱があった記憶はずっと継承していってほしい」と話した。

 続いて、元炭鉱マンの安部秀一さん(83)が、炭鉱の遺構を案内。参加者は、坑道に通じるトンネル跡や犠牲者を悼む慰霊碑などを見学した。事故の際に救助活動にも携わった安部さんは「入坑して倒れている炭鉱マンを担架で運び出した。事故前にはガス警報器が鳴るなど前兆があり、会社の生産第一主義が事故を招いた」と語った。(斎藤徹)