トヨタ労組、組織内候補断念の裏側 労使協調の「ステップ」だった

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土井良典、鈴木裕、藤崎麻里、柏樹利弘 小林圭、近藤郷平、東谷晃平
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 「青天のへきれき」

 「寝耳に水だ」

 トヨタ自動車労働組合が、衆院解散の日に公表した組織内候補、古本伸一郎氏(無所属、愛知11区)の立候補取りやめ。愛知県の旧民主勢力は、労組の力を原動力に「民主王国」を築き上げてきた。19日公示の衆院選はどうなるのか。

 愛知14区(豊川市など)の立憲民主党新顔、田中克典氏(47)は15日昼、取材に対して「トヨタ労組の真意がわからない」と戸惑いを口にした。

 トヨタ労組を中核とする全トヨタ労働組合連合会(全ト)は、愛知県内の立憲の立候補予定者6人に地区レベルでの推薦を決めていた。田中氏もその1人。しかし、それが変わらないのか、よくわからない。

 関係者によると、トヨタ労組の決定を受け、地盤を引き継いだ元職からは「厳しいね」と電話があった。

 陣営幹部は「(同労組の決定に)すごく驚いたが、うちは新人。とにかく動くしかない」と話す。

 一方、愛知15区(豊橋市など)の立憲前職、関健一郎氏(43)は「慌てることはない」と淡々と話した。

 選挙区内には、約8千人が勤めるトヨタ田原工場がある。関氏によると「工場の関係者から、支援の確約を得ている」という。

 支持基盤とする連合愛知の地域組織は、トヨタ労組の支部が中心だ。事務局の担当者も「地方選などで築いてきた地域のつながりは、崩れることはない」。ただ、「どういうことなのか」などと支援者から問い合わせも寄せられている。担当者は「労組からしっかり説明してほしい」と求めた。

 トヨタ系の企業が多い愛知7区(瀬戸市など)。立憲元職、森本和義氏(55)の陣営も、「今までのおつきあいもあるし、大きく変わらないのではないか」。今のところ静観の構えだ。

 選挙での支援は、投票だけではない。全トなど組合関係者は、旧民主系の陣営にスタッフを送り、選挙運動を支えるのが常だった。

 愛知9区(稲沢市など)の立憲前職、岡本充功氏(50)の陣営関係者は、「これまで築いてきた人間関係をむげにはしないだろう」としつつ、全トからの人数と頻度が減ることを懸念する。「応援の質が落ちるのは間違いない」

トヨタ労組OBは今回の候補取り下げについて「ステップの一つだった」と明かしました。記事後半で詳報します。

 組合関係者にも波紋が広がる…

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