調整難航の福岡5区、長崎4区が決着 保守分裂回避も自民内にしこり

2021衆院選

神野勇人、渡辺純子、原口晋也、安斎耕一
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 自民党は15日、衆院選の2次公認を発表し、調整が難航していた九州・山口の3選挙区について公認を決めた。山口3区は参院からくら替えする林芳正元文部科学相(60)、福岡5区は原田義昭元環境相(77)、長崎4区は北村誠吾元地方創生相(74)をそれぞれ公認した。19日の衆院選公示を前にいずれも保守分裂を回避した格好だが、自民内に亀裂が残る可能性もある。

 福岡5区では、昨年9月に立候補の意向を表明した栗原渉・元福岡県議長(56)が党本部の決定を受け入れ、衆院選後に自民の福岡5区支部長に就くことを条件に立候補を断念した。

 原田氏と栗原氏は15日、東京・永田町の党本部に招かれ、岸田文雄総裁(首相)、麻生太郎副総裁、甘利明幹事長、遠藤利明選挙対策委員長と会談。党本部側から現職の原田氏公認の裁定結果が示された。

 先に出てきた原田氏は「今回公認候補に決めて頂いた」と語り、党本部が昨年12月に示していた「(今回の衆院選の)次は原田氏が栗原氏を後継指名する」との提案に両者が合意したと説明した。

 一方、県連幹部と共に報道陣の前に姿を現した栗原氏は目に涙を浮かべつつ「言葉にはなかなか表せられない」と悔しさをにじませた。

 福岡5区では「世代交代」への期待を背に栗原氏が立候補を表明すると、県議団も支援。現職の原田氏と公認をめぐって厳しく対立してきた。党本部や県連が一本化に向けた説得を続けたが、両者の溝は衆院選公示の間近まで埋まらなかった。

 「無所属でも立つ」と繰り返してきた栗原氏は14日、自民県議団の総会で「必ず当選に向けて邁進(まいしん)をしていく」と表明。県議の辞職願を提出して不退転の覚悟を示していた。陣営関係者によると、党本部での15日の会談では、栗原氏が無所属で立候補した場合は除名も辞さないとの方針が伝えられたという。関係者は「その場で判断を迫る党のやり方は、ほとんど脅迫まがいだ」とうめいた。

 原田氏への公認決定を受け、5区では立憲民主党の新顔堤かなめ氏(60)との与野党一騎打ちになる見通し。

 長崎4区では北村氏への公認決定を受け、立候補の構えを見せていた前県議会議長の瀬川光之氏(59)は15日、「決定を受け止める」として立候補を見送る考えを表明した。

 北村氏は「私の不行き届きがあって4区のゴタゴタにつながることになった。深く反省している」と神妙な表情で記者団に語った。

 長崎4区では、地方創生相在職中の北村氏の不安定な国会答弁などを自民の一部支部が問題視。公認の再考を県連に申し入れ、県連は9月、これらの支部が推す瀬川氏を公認とするよう党本部に推薦した。

 選挙区内の各地域支部や地方議員らは、公認問題をめぐって真っ向から対立してきた。瀬川氏はこの日、「挙党態勢をできるだけ組める努力をしなければ。それが組織人としてのつとめ」と話したが、亀裂を修復できるかは不透明だ。

 4区では、立憲新顔の末次精一氏(58)のほか、いずれも無所属新顔の田中隆治(78)、萩原活(61)両氏が立候補を準備している。(神野勇人、渡辺純子、原口晋也、安斎耕一)

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