「33本超えたら先輩に偉そうに話せる」ラオウの野望、V争い譲れぬ

佐藤祐生
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 (15日、プロ野球 オリックス・バファローズ3―0北海道日本ハムファイターズ)

 どんよりとした空気を変えてくれるのは、いつもこの男の一発だ。

 四回無死一、二塁、オリックスの杉本裕太郎が初球の変化球をとらえた。相手左翼手は一歩も動けない。打球は左中間席へぐんぐん伸びた。「今年一番の当たりでした。今年一番、飛んだと思います」。リーグトップを走る32号は先制の3ランとなった。

 30号を超え、狙っているのは先輩越え。4学年上のT―岡田が2010年に本塁打王に輝いた時の本数が33。「超えたら、(T―岡田に)偉そうに話すことができる」と不敵に笑いながら語っていた。あと1本で並ぶところまできた。

 直前の2位ロッテとの直接対決3連戦、チームは硬かった。初戦こそ引き分けに持ち込んだが、2、3戦目は大敗した。優勝の行方を左右する大一番の重圧か、雰囲気は重かった。

 この夜もわずか4安打と打線がつながったわけではない。得点は杉本の一発によるものだけだったが、チームメートやファンを勇気づけるのには十二分だろう。殊勲の30歳は「プレッシャーもありますけど、『どうしよう、どうしよう』と考えてもいい結果は出ない。僕は楽しんでやろうと思っています」。中嶋聡監督は「内容は良くないが、勝って次にいけるのは大きい」と言った。

 もはや試合内容が問われる時期は過ぎた。ロッテにマジックが点灯しているものの、首位に立っているのは自分たち。譲るわけにはいかない。(佐藤祐生)

 中嶋監督(オ) 「本塁打で点は入ったが、安打が出ていなかった。内容は良くないが、勝って次にいけるのは大きい」

 山崎颯(オ) 6回無失点でプロ2勝目。「序盤は変化球をイメージ通りに投げ分けられた。何とか粘り切れたのは良かったと思う」

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