心、へし折られても、歌っていく クミコが東京・名古屋で公演

有料会員記事

藤崎昭子
[PR]

 聴いてくれる人さえいれば、身ひとつで出かけていって――。そんな自由を多くの音楽家が封じられたこのコロナ禍。歌手のクミコさんも、心をへし折られた一人だ。それでも制作に打ち込んできたニューシングルが8月に発売された。収録したのは、「十年」(中島みゆきさん作詞・作曲)と、アニメ映画「ハウルの動く城」主題曲(久石譲さん作曲)に覚和歌子さんの詞をつけた「人生のメリーゴーランド」の2曲。発売記念のコンサートを11月7日に東京・六本木で、同20日に名古屋で開く。

中島みゆきさんの楽曲、ブラジリアン・サウンドで

 新型コロナウイルスの感染者が減り、ようやく以前に近い形でライブやコンサートを開けるようになってきた。だが、音楽を取り巻く状況には危機感を強めている。

 「チケットを買ったのに会場に来ない、という人が増えている。ひとたび外出を制限されると、そのまま出無精になってしまう中高年も多い」と肌で感じる。「難しい局面だと思います。CDを買うにもショップは激減。デジタル関係に疎い人は、ネット通販やストリーミングで、というわけにもいかない」。そんな人たちのために、最近の公演料金は、直筆サイン入りCD込みという設定にしている。

 「十年」も「人生のメリーゴーランド」も、一度アルバムに収録し、大切に歌ってきた曲だ。今回、どちらも装いを一新。「十年」は、ブラジルの音楽プロデューサー、レナート・イワイさんに編曲を依頼した。クールモダンなボサノバ調で、現代的な浮遊感と深みが増した。「十年は長い月日か 十年は短い日々か」という歌詞が、聴く者それぞれの歳月と二重写しになって迫ってくる。

 「十年」のミュージックビデオは、かつて自身が雇われママとして働いていたバーで撮影され、下積み時代からの“盟友”である俳優の篠井英介さんが友情出演した。篠井さんは11月の東京公演にもゲスト出演。ドレスを新調し、現代演劇の女形としての本領を発揮するという。

 「11月7日は越路吹雪さん…

この記事は有料会員記事です。残り1117文字有料会員になると続きをお読みいただけます。