身代金ウイルスの被害急増 米、取引に使われる暗号資産への規制本腰

ワシントン=高野遼
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 米財務省は15日、ランサムウェア(身代金ウイルス)攻撃をめぐり、今年1~6月に報告された身代金の支払額が5・9億ドル(670億円)だったと発表した。昨年1年間の総額4・1億ドルを早くも上回り、倍増を超えるペースで被害が続いている。身代金の取引には暗号資産(仮想通貨)が使われており、同省は規制に本腰を入れている。

 発表によると、1~6月に報告されたランサムウェア攻撃の疑いのある事例は635件。昨年1年間の487件を上回り、2011年以降で最多となった。

 ランサムウェア攻撃は、攻撃先のシステムを暗号化して使用不能にし、解除と引き換えに多額の身代金を要求する手口。米国では石油パイプライン大手が被害を受けて操業を一時停止するなど被害が深刻になっている。身代金の取引には匿名性が高い暗号資産が使われ、ビットコインの使用が最も多かった。

 財務省は15日、暗号資産の交換業者など業界関係者に経済制裁の順守を求める指針を公表した。「従来の金融機関と同様に、暗号資産の業界にも制裁措置の順守が求められ、違反すると罰則がある」と明言し、制裁で禁じられた国家や個人などとの取引には応じないよう警鐘を鳴らした。

 財務省は9月にはロシアの暗号資産交換業者がランサムウェアを使った不正行為に加担したとして制裁対象に指定するなど、対策強化に乗り出している。(ワシントン=高野遼)