第3回核廃絶へ岸田氏のこだわり 「鳩山さんのようになる」冷淡な声も

有料会員記事岸田政権

編集委員・藤田直央
[PR]

 「世界の偉大なリーダーたちが挑戦してきた核廃絶という名の松明(たいまつ)を、この手に引き継ぎます」

 首相として初の所信表明演説岸田文雄はそう訴えた。3日間にわたる代表質問で与野党に6度、覚悟を問われ、「唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界の実現に向けしっかりと取り組む。核兵器禁止条約は出口ともいえる重要な条約だ」と答え続けた。

 前首相の菅義偉は「緻密(ちみつ)に現実的に核軍縮を進めさせるのが我が国の立場」として「条約に署名する考えはない」と断じたが、一線を画した。核兵器の保有に加え、威嚇や援助まで禁じる核禁条約は、核兵器を持たない50カ国以上が批准。1月に発効したが、日本は加わっていない。被爆地・広島では条約参加を求める声が根強く、地元選出の岸田にはこだわりがある。

 昨年10月に核軍縮を訴える自著を出した翌月、朝日新聞の単独インタビューで「出口」へのイメージをこう説明していた。

 入り口が核兵器国も加わる核不拡散条約(NPT)といった枠組みで、「核兵器のない世界」への出口が核禁条約核兵器国が核禁条約に参加できるよう、離れた入り口と出口をつなぐのが日本の役割だ――。

 簡単な話ではない。4日の首相就任会見では「厳しい現実に何回もぶち当たって残念な思いをした」と外相当時を振り返った。

 在任4年7カ月のほとんどの期間、米大統領は「核兵器のない世界」を掲げノーベル平和賞も受けたオバマだった。その広島訪問が2016年に実現したのを追い風に、岸田は核兵器国と非核国の「橋渡しを」と意気込み、17年3月に始まる核禁条約交渉に加わる考えを示した。だが結局、参加できなかった。

「政府内では少数意見だった」明かす

 昨秋の取材に「政府内では少…

この記事は有料会員記事です。残り1501文字有料会員になると続きをお読みいただけます。