巨人、急失速の秋 裏目の強行軍にこだわり、投手が疲弊

松沢憲司
[PR]

 巨人が勝てない。16日の広島戦(東京ドーム)で0―8から7―8まで追い上げたが、あと一歩及ばず10連敗。2日のDeNA戦を最後に12戦勝ちがなく、最大で15あった勝ち越しは消え失せ、今季初の負け越し2。気がつけば4位広島と3ゲーム差だ。

 9月初旬から1カ月半での急転落。大きな要因は、先発投手の無理な起用法だ。

 ヤクルト、阪神との6連戦を迎えた8月31日から、巨人は先発投手を6人ではなく5人に固定した。

 託されたのは菅野智之、メルセデス、山口俊、戸郷翔征と高橋優貴。中5日を基本線に、6連戦の初戦を投げた投手は6戦目も先発する形だ。

 この6連戦は2勝2敗2分けで乗り切った。この後、6人に戻すかと思われたが、山口が右ひじの不調で試合当日に登板を回避した例外を除き、首脳陣は先発5人制を続けた。

 原辰徳監督は10月初旬、「今年は先発投手が少ない中で、みんなで話して『よっしゃ、行こう』となった。コンディションもしっかりつくれている」と手応えを口にしていた。

 だが、選手からすれば、疲労がたまらないわけがない。実際、山口と戸郷、高橋の10月の月間防御率は、9月より悪くなった。

 8月31日以降の40試合で、先発投手の白星はわずか五つ。一方、黒星は19に上り、差し引きすると、食いつぶしたチームの勝ち越し数とほぼ一緒になる。

 16日も、勝てば最多勝のタイトルに望みが残るはずだった先発の高橋がいきなりつまずいた。一回、先頭の宇草孔基にシュート回転した直球を右中間席に運ばれると、その後も5安打を浴びて4失点。なお2死一、二塁で降板した。

 まさかの大量失点に原監督は「まあ、(4失点が)重かったというところですね。一回持たず、ですから」と苦笑いしたが、首脳陣の責任も重い。

 10連敗は2リーグ制後では球団4度目。残り4試合を全敗した場合、広島が残り8試合を5勝3敗で乗り切れば、巨人は3位から4位に転落する。(松沢憲司)