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「地域が困っている時こそ支えに」 コロナ禍の医院から見えた政策

【動画】新型コロナ疑い患者を診る設備を備えた診療所=戸田拓、松尾一郎撮影
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 大型商業施設が立ち並ぶ北海道北広島市大曲地区の幹線道路沿いに9月、「おおまがり鈴木内科医院」が新規開業した。新型コロナウイルス疑いの患者にも対応する発熱外来でもある。

 特徴は、横付けした車からも感染疑いの患者が直接出入りできる隔離待合室を設けたことだ。医師がその部屋で患者から検体を採って感染症遺伝子検査装置で調べ、15分程度で検査結果を伝える。迅速に検査結果を出し、感染拡大を防ぐ狙いだ。

 こうした設備を置いた背景にあるのは、副院長の鎌田晶義さん(55)がコロナ禍の1年半で直面した経験だ。

コロナと政策 衆院選@北海道

 19日公示、31日投開票の衆院選は、医療体制や経済の立て直しなどコロナ対策が最大の争点となりそうです。コロナ禍の下で求められる政策を、北海道に関わる様々な課題とともに現場で探ります。北海道から随時配信します。

 鎌田さんは診療所の母体である鈴木内科医院の本院(札幌市清田区)の医師として、コロナ感染の疑いがある多くの患者の検査を行った。昨年11月以降、78人の陽性者を見つけてきた。「保健所に『濃厚接触者でない』と判断されてPCR検査の対象外となった方が不安になって当院に来る。その中から陽性者が見つかったこともあった」

 昨年以来、未知のウイルスへの対応に医師も悩んできた。鈴木内科医院の鈴木岳院長(55)は、「不確かな情報、不十分な検査手段と感染防御手段しかなく、治療手段も乏しかった昨年初めは、コロナ患者を診るのは恐ろしく、どう対応するのか悩んだ」。高齢者向けのグループホームも運営しており、クラスター(感染者集団)が発生すれは入所者の命にも関わる。

 コロナ検査を積極的に行うのは、感染リスクを高めることにもなる。鈴木さんは鎌田さんと相談し、「患者の方が恐怖を感じているのにプロである私たちが逃げてはならない。地域が本当に困っている時に支えにならなければならない」と腹を固めた。

 現実は過酷だった。築約40…

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