「ポスター2枚貼ります」 市長選で自民系候補が分裂、悩む自営業者

横山蔵利
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 36年ぶりに自民党系の分裂選挙となる青森県八戸市長選。告示まで1週間を切り、市議や県議がそれぞれどちらを支援するか、立場が鮮明になってきた。一方で、自営業者らは板挟みに遭って対応に苦慮。とくに、飲食店は選挙期間中は客足が遠のくとされ、二重の意味で苦境が続いている。

 立候補を予定する現職の小林眞氏(71)、党県連副会長で県議の熊谷雄一氏(59)の事務所開きは、10月に入って行われた。当初は表立った支持表明は避けていた議員が多かったが、事務所開きへの参加が踏み絵のようになり、自民系市議の出席者はほぼ半々に割れた。

 二分する状況に、中小の自営業者らは困惑している。「陣営から電話がかかってくれば、どちらにも『頑張ってください。応援しています』という。ポスターも2枚貼りますよ」。中心街で商店を営む男性はこう漏らす。

 長年自民党を支持しており、商店主たちが寄れば選挙の話で盛り上がることもあったが、今回はそうはいかない。「相手がどちらを応援しているか分からないから。『あっちだったの!』となれば商売に差し障る。何となく腹の探り合いです」と話す。

 別の飲食店の店主も「小林さんも熊谷さんもこれまで仲良く選挙をやってきた。なんでこうなるのか」と困惑を隠さない。2人の政策に大きな違いはなく、もう一人の立候補予定者、清水文雄氏(73)の政策が新鮮に映り、気になるという。

 飲食店では、すでに商売にも影響が出ている。もともと選挙になると客足が減るのは「みんな運動しているのに、なんで飲んでいるんだと批判されるから。当然ですよ」と、中心街の経営者は理由を説明する。これまでは息抜きとして街に出る人もいたが、今回は期待できないという。「なんで一本化しなかったのか。コロナ禍で大変な時期。みんな仲良くすべきだ」(横山蔵利)