英議員刺殺の容疑者、ロックダウン中に過激化か ネットを通じて

ロンドン=金成隆一
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 英イングランド東部エセックス州で下院議員デビッド・エイメス氏が有権者との会合場所で刺殺された事件について、捜査当局は16日、テロ事件と断定した。殺人容疑で逮捕した英国人の容疑者の男(25)への初期捜査で、イスラム過激主義に関連する「潜在的な動機」が明らかになったという。

 捜査はテロ対策部門が主導している。英メディアによると、容疑者が新型コロナウイルスロックダウン中にネットを通じて過激化した可能性も含め、動機を調べている。現時点では単独犯とみられている。

 複数の英メディアは当局者の話として、逮捕されたのは、ソマリア系英国人のアリ・ハルビ・アリ容疑者と伝えた。

 英タイムズによると、同容疑者は数年前、ソーシャルメディアへの扇情的な投稿など不穏な行動を示した後、過激化を防ぐ政府のテロ防止措置の対象になった可能性があるが、短期にとどまった。3千人以上とされる英情報局保安部(MI5)の正式な監視対象となることはなかったという。

 同容疑者の父親は元ソマリア首相顧問で、ロンドン近郊でのタイムズの取材に応じ、英国生まれの息子が容疑者として拘束されたことを認めたという。

 事件は今月15日正午ごろ、同州リー・オン・シーの教会で起きた。地元選出のエイメス氏は有権者との定例会合に参加していた。複数箇所を刺されており、救急隊員が救命を試みたが現場で死亡が確認された。(ロンドン=金成隆一)