第2回名字変更に悩まされた3世代 生きづらさへ共感の輪、政治は動くか

有料記事2021衆院選

編集委員・秋山訓子
[PR]

 「私は結婚する際、名字を変えることを巡って、とても苦労しました」

 仙台市に住む91歳の樋口静枝さんは今年4月、地元紙の河北新報に投稿した。

 父を早く亡くし、母は婿をとることを希望したが、結婚相手は難色を示した。結局夫の名字を名乗り母と同居。母は名字へのこだわりが強く、「世界一の親不孝者」と呼ばれた。「夫婦がそれぞれの名字を名乗ることが、家族の一体感を失わせるとは思えません」

 その娘の典子さん(62)。1983年に結婚。「婚姻届を出して自分の名字がなくなるとすごく喪失感があった」。公務員だったが、99年に通称使用が可能になると切り替えた。選択的夫婦別姓を求める運動に参加、子どもの手をひき集会にも出かけた。1男2女の名字は夫と同じだ。

名前変えると「私生活を詮索される」

 典子さんは2011年に仙台…

この記事は有料記事です。残り3017文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

2021衆院選

2021衆院選

ニュースや連載、候補者の政策への考え方など選挙情報を多角的にお伝えします。[もっと見る]