静観から一転、IOC「懸念」表明 2年に1度のサッカーW杯開催案

遠田寛生
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 世界のスポーツ界で議論を巻き起こしているサッカーワールドカップ(W杯)を2年に1度開催する構想について、国際オリンピック委員会(IOC)は16日、強い懸念を示した。

 国際サッカー連盟(FIFA)の変更案に対して、IOC理事会の声明で「多くの国際競技団体や選手らとの懸念を共有し、計画について幅広い協議の呼びかけを支持する」とした。

 理由の一つは他競技に与える影響の大きさだ。現在の4年から2年に短縮された場合、陸上や水泳、体操などの世界選手権や、テニスやゴルフ、自転車のメジャー大会と時期が重なる可能性が高い。

 イベントが重なればそれぞれの注目度は下がり、放映権料やスポンサー料などで打撃を受ける可能性は否めない。すでに多くのクラブや選手、他の国際競技団体から懸念する声が上がっていると指摘。「サッカー以外の競技の発展と多様性を損なう」と釘を刺した。

 ほかにも改善されてきた女子サッカーの成長を妨げてジェンダー平等に逆行する点や、心身ともに選手への負担が増えるリスクを唱えている。

 W杯開催を2年に短縮する案に対しては、欧州サッカー連盟(UEFA)が強く反発。南米サッカー連盟(CONMEBOL)も反対している。FIFAは今年12月にも全211協会による投票で考えを諮る構えを見せている。

 IOCのトーマス・バッハ会長は9月、FIFAの動向を注視し口をはさまない考えを示唆していた。しかし、五輪競技の人気低下につながるようであれば、IOCとしても見過ごせない問題だけに、方針転換したとみられる。(遠田寛生)