北朝鮮「来年に長距離ミサイル発射再開の可能性」 米機関が報告書

ワシントン=園田耕司
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 米国防総省の情報機関、国防情報局(DIA)は15日、北朝鮮が来年にかけて長距離弾道ミサイル発射を再開する可能性があるとする報告書を発表した。2017年9月以来行っていない核実験についても、「兵器能力を検証するため、さらなる地下核実験を行う可能性がある」と指摘した。ただ、いずれも具体的な兆候などの根拠は示していない。

 報告書では、北朝鮮は18年6月のシンガポール会談で「朝鮮半島の完全な非核化」で約束した後も、寧辺核施設などで矛盾する動きを見せていると指摘。「北朝鮮大量破壊兵器能力を温存し、すべての大量破壊兵器を廃棄する可能性は低い」として、「北朝鮮の指導者は体制存続のために核兵器が不可欠だと考えている」と分析した。

 そのうえで、北朝鮮発射実験を繰り返しているミサイルに関して、「北朝鮮はミサイルの演習と改良に集中していくだろう」と予測。液体燃料よりも発射準備が早く整う固体燃料を使用した弾道ミサイルの改良に取り組んでいくという見方を示した。核兵器をめぐっては「核兵器と弾道ミサイルを統合し、核ミサイルのシステムを確実に機能させることが北朝鮮の究極の作戦目標だ」と指摘。核実験場を整えれば、「さらなる地下核実験を行う可能性がある」とした。

 一方、北朝鮮が開発を進めている潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)については、「この能力の進展には時間がかかるだろう」と指摘。その理由については「新たな潜水艦の建造と配備は、多くの資源を必要とする長時間の製造過程を要する」と指摘した。

 報告書では、北朝鮮サイバー攻撃能力についても触れており、「米国や同盟国における政府、軍、民間企業を標的にし続けるだろう」と警告。「北朝鮮のハッキング技術はさらに高度なものになる可能性がある」と指摘した。(ワシントン=園田耕司