会いに行けるイギリスの議員 刺殺事件で狙われた「偉大な伝統」

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ロンドン=金成隆一
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 英イングランド東部エセックス州で今月15日、与党保守党の下院議員デビッド・エイメス氏が、地元有権者との定例の会合を開いていた教会で刺殺された。捜査当局は英国人の男(25)を逮捕し、動機を調べている。

 英国では近年、議員が地元の有権者との会合で襲われる事件が相次いでいる。有権者が政治家に会って意見を伝えられる「伝統」の維持と、議員の安全性の両立が課題になっている。

 会合は、外科手術や診療所という意味でも使われる「サージェリー」と呼ばれる。議員は、医師が患者を問診するように有権者と対面し、様々な要望に耳を傾ける。英国式の民主主義の手段として定着してきた。

 「英国の伝統」。刺殺されたエイメス氏も有権者との定例会合を、こう呼んでいた。昨年の著書で2016年に会合に向かう途中で射殺されたコックス下院議員(当時41)の事件に触れ、「英国の伝統では、国会議員は有権者が対面できる機会を定期的に設けてきた」とした上で、議員への攻撃の増加は「国民が政治家にオープンに会う、偉大な英国の伝統を台無しにする」と記した。

 エイメス氏は自ら伝統を実践…

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