岸田首相、福島第一原発を初視察 処理水放出「理解得るよう努力」

岸田政権

福地慶太郎
[PR]

 岸田文雄首相は17日、就任後初めて福島県内を訪れ、東京電力福島第一原発などを視察した。その後の記者団の取材で、政府が関係者の理解なしに処分しないとしてきた処理水の海洋放出をめぐり、放出時期とされる2年後までに理解が得られなかった場合の対応を問われたが、「先の状況について申し上げることはやめる」と明言しなかった。

 福島第一原発で発生した汚染水から大半の放射性物質を除去した処理水の対応をめぐり、政府は2015年8月、県漁業協同組合連合会(県漁連)の要望に対して「関係者の理解なしにいかなる処分も行わない」と文書で答えた。だが、今年4月、2年後にも海に流して処分すると決定。県漁連からは「(約束を)ほごにされた」(野崎哲会長)と批判の声があがった。

 この日、福島第一原発で汚染水を処理した水をためたタンクが数多く並ぶ様子を見たという岸田氏は、記者団に「先送りできない。大変重要な課題と痛感した」と強調。関係者の理解が得られない場合、放出の先送りや断念する考えがあるのか問われたが、「予断を持って申し上げることはやめる。理解を得るよう努力を続ける」と述べた。

 岸田氏はこの日、福島第一原発のほか、浪江町の東日本大震災慰霊碑や道の駅、JR双葉駅周辺などを視察した。福地慶太郎