第9回無関心はもったいない 最高裁裁判官の国民審査「もう一つの参政権」

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玉置太郎
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 「衆院選と同時に行われる、最高裁判所裁判官の国民審査について詳しく知りたい」。SNSで情報交換しながら取材する「#ニュース4U」の「教科書で学べない政治教室」に、東京都に住む70代の男性からそんな疑問が寄せられた。

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辞めさせるべき裁判官に「×」

 衆院選の投票所では、小選挙区比例区のほかに、もう1枚、投票用紙を受け取る。それが最高裁裁判官国民審査だ。しかし、審査が話題になることは少ない。正直、私もこれまで何も意識せずに臨んでいた。

 「それではもったいない。国民審査は『もう一つの参政権』ですから」

 国民審査を研究してきた明治大の西川伸一教授(政治学)は、そう戒める。

 最高裁は法律や行政処分憲法違反かどうかを、最終的に決める権限をもつ。その判決や決定は「判例」として、全国の地裁・高裁に大きな影響を及ぼす。

 そんな最高裁の裁判官は15人。裁判官や弁護士、検察官、行政官、学者から選ばれ、内閣が任命する。定年は70歳だ。

 裁判官は任命後、最初の衆院選で審査の対象になる。用紙には裁判官の名前が並び、辞めさせるべきだと思う人に「×」印を書く。空欄は信任とみなされるため、個別に棄権することはできない。

 有効票の過半数で×印がつくと罷免(ひめん)となるが、1949年からの計24回で、罷免された裁判官はいない。過去5回の審査で、各裁判官についた×印の割合は6~9%台だった。

 西川教授は「日常生活で裁判所を意識することがないので、どうしても関心は低い。でも、国会のつくった法律を無効にする権限さえもつ最高裁に、国民が異議を申し立てられるほぼ唯一の機会です」と言う。

夫婦別姓一票の格差… 関わった裁判「判断材料」に

 では、どう判断すればいいのか。

 材料の一つが各戸に配布され…

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