リベラル、保守の違い見えない経済政策 高齢者の負担増から逃げるな

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聞き手 シニアエディター・尾沢智史
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 コロナ禍で行われる衆院選で、経済政策が注目されている。経済の立て直しに向けて、与野党ともに大規模な財政出動と分配を掲げているため、その対立軸は見えにくい。有権者はどこに注目すればよいのか。経済学者の飯田泰之明治大学准教授に聞いた。

 1975年生まれ。専門は経済政策、マクロ経済学。内閣府規制改革推進会議委員も務めた。著書に「経済学講義」「日本史に学ぶマネーの論理」など。

 ――衆院選で、各党のマクロ経済政策をどう評価しますか。

 「自民党は、直前の総裁選で政策論争を深めた結果、経済政策の中身がこなれてきた感じはあります。政策が具体的で、現実的になった」

 「野党だと、国民民主党などから具体的な政策も多く提案されています。一方、最大野党である立憲民主党にとっては、経済政策で対立軸が作りにくい選挙になっているように思います」

 ――なぜでしょう。

 「安倍政権・菅政権の経済政策を『新自由主義的』と批判してきましたが、岸田首相が『新自由主義からの転換』を掲げてしまったので、抽象的な理念では対立軸を作れません。具体的な提案で差別化するしかないのですが、『30兆円の補正予算』を打ち出しても、自民党も公明党も財政出動は明言しているので、対立点にならない。30兆円のうちいくらを何に使うのか。いままで以上に具体的な提案を出していかないと、対立軸をつくることは難しい」

■支援するのは家計か、企業か…

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