「我々が勝手にということか」 カレンダー配布問題、郵便局長ら反発

藤田知也
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 日本郵便で昨年、多くの郵便局長が経費で買ったカレンダーを政治活動に流用していた疑いがある問題で、一部の局長から全国郵便局長会への反発が出ている。政治流用の指示を否定した同会に対し、現場から「我々が勝手に配ったということか」といった声があがっている。

 カレンダーは「郵便局長の見つけた日本の風景」と題したA3判。日本郵便は「顧客への感謝と年末年始のあいさつ」を目的に、局長が経費で一定量を買うことを認めている。

 カレンダーの流用の疑いは、一般の利用者に向けて経費で買ったものを全国郵便局長会の政治活動に賛同してくれる支援者らを中心に配ったというもの。日本郵便は、政治目的でカレンダーを配ることは認めておらず、聞き取りでの内部調査を先週から始めた。

 朝日新聞の取材では、少なくとも10都県の局長がカレンダーについて「支援者に配るよう(地域の)局長会役員から指示された」と証言している。多くが指示どおりに配り、一部は指示に反して一般客らに配ったとしている。一方、全国郵便局長会は「(業務上の施策として)効率的な配布を指示している」と取材に回答し、政治流用の指示はしていないとしていた。

 これに対し、全国郵便局長会の会員向けサイト「全特NET(ネット)」の掲示板には12日以降、「我々が勝手に支援者へカレンダーを配ったってことですか」「どれだけの会員が土日に汗をかいたと思っているんですか」といった書き込みが相次いだ。

 カレンダー配布の指示をめぐっては、こんな投稿もあった。

 「今年は『経費なので、支援者への配布に使わないように』と指示があった。去年は支援者へ配布、土日に重点取組日を組んで配る等の指示があった。しっかり役員が説明しないと、下々の局長は困ります」

 「今までこちら(郵便局長会側)の負担でまかなっていたものが突然に会社負担となり、伝え方はマチマチになっていた」

 「ただのお客様にばらまくのではなく、ロイヤルカスタマーに優先的に配布していた。ロイヤルカスタマーは局長会の局長目線では『Aランク支援者』です」

 一方、現場の不満をなだめるような投稿も。

 「上層部とて我々の仲間。敵ではないはず。良かれと思って判断されているかと想像します。結果は非常に厳しいけれども」

 「上層部の責任だけでもありません。役員を選出しているのも(我々)自身。現状の事象が全く自身の責任外であることはないと思います」

 日本郵便の内部調査は100前後の郵便局を束ね、地区郵便局長会の会長も兼ねる統括局長らが対象となる。カレンダーを政治活動に流用したかどうかだけでなく、組織的な指示があったかどうかが焦点になる。

 全国郵便局長会は約1万9千人の旧特定郵便局長らでつくる任意団体で、12の地方郵便局長会、238の地区郵便局長会が連なる。参院選で組織内候補を自民党公認で擁立し、一昨年は比例の当選者トップの60万票を獲得。来年の参院選でも候補者を立てる方針だ。(藤田知也)

全特ネットに掲載された主な投稿

 「我々が勝手に支援者へカレンダーを配ったってことですか」

 「指示でどれだけの会員が土日に汗をかいたと思っているんですか」

 「今年は『経費なので、支援者への配布に使わないように』と指示があった。去年は支援者へ配布、土日に重点取組日を組んで配る等の指示があった。しっかり役員が説明しないと、下々の局長は困ります」

 「今までこちら(郵便局長会側)の負担でまかなっていたものが突然に会社負担となり、伝え方はマチマチになっていた」

 「私は窓口でお客様に配布していた。ただ、私の支援者は窓口によく来るお客様なので、お客様=支援者。ただのお客様にばらまくのではなく、ロイヤルカスタマーに優先的に配布していた。ロイヤルカスタマーは局長会の局長目線では『Aランク支援者』です」

 「上層部とて我々の仲間。敵ではないはず。良かれと思って判断されているかと想像します。結果は非常に厳しいけれども」

 「上層部の責任だけでもありません。役員を選出しているのも自身。現状の事象が全く自身の責任外であることはないと思います」