「居心地の悪い」ベンチャー企業から技術革新が生まれた理由

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記者コラム「多事奏論」 岡崎明子

 今年の自然科学系のノーベル賞で、女性研究者の受賞決定はゼロだった。昨年までの620人超の受賞者のうち、女性は22人。「リケジョ」問題は、世界的な課題だ。

 理系の女性研究者が少ない実態は、デスクとしてかかわった連載「『リケジョ』がなくなる日」でもとりあげた。女性というだけで、なぜ子育ての壁やハラスメントを乗り越えねば研究を続けられないのか。

 ちなみに日本の科学技術系の研究者に女性が占める割合は約17%と、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で最も低い。

 ここ最近、科学界では「ジェンダーイノベーション」がキーワードになっている。研究開発に性やジェンダーの視点を入れることで、よりよいイノベーション(技術革新)を起こそうという考え方だ。

 たとえば、グーグル翻訳で「岡崎さんは新聞記者だ」を英訳すると「Mr.Okazaki……」と出るのは、人工知能に覚えさせたデータが男性に偏っているからだろう。車のシートベルトは成人男性を基本に設計されているため、女性の安全度は劣る。

 研究開発において一方のジェンダー視点しか反映されないことは、社会の偏見を強化するだけでなく、命にもかかわるのだ。

 ならば研究力の低下が指摘される日本こそ、女性研究者を増やし、技術革新を起こそう……と盛り上がらないのはなぜか。

 それはきっと、女性研究者が増えるメリットを現場が体感しにくいからだ。

 米国でこんな実験が行われた。

 殺人事件に関する共通の資料…

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