中国とブータン、国境画定へ動き加速 インド揺さぶりの狙いも

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冨名腰隆=北京、奈良部健
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 国境を巡る対立が長年続いてきた中国とブータンが、問題解決に向けて動き始めた。両国は国境画定交渉を加速させるための覚書に調印し、国交の樹立にも意欲を示した。

 中国にとってブータンとの関係安定を図る動きは、同様に国境問題を抱えるインドを揺さぶる狙いがある。ブータンに影響力を持ってきたインドは、交渉の行方を注視している。

 14日、中国の呉江浩外務次官補とブータンのタンディ・ドルジ外相がオンラインで会談し、国境交渉を3段階で進める計画に関する覚書を交わした。

 詳細は明らかにされていないが、中国外務省によると、呉氏は「今日の調印は国交樹立プロセスにも有意義な貢献になると信じている。中国は親善、誠実、互恵の周辺外交を実践する」と表明。ブータン外務省も「この工程表の履行により、両国が受け入れ可能な結論を導くことが期待される」と発表した。

 国境が400キロ以上に及ぶ中国とブータンは、国境画定に向けた協議を1984年に始め、これまで24回の交渉を重ねてきたが、合意には至っていない。主な係争地はブータン西部のドクラム地域だったが、中国は昨年、東部のサクテン野生生物保護区についても「国境は未画定」と主張し、問題を複雑にした。

 中国が陸地で国境を接する14カ国のうち、現在も境界が画定していないのはブータンとインドの2カ国で、国交がないのはブータンのみだ。中国にとって文化や宗教でチベット自治区とつながりが深いブータンとの関係を築くことは、チベットを安定させる意義がある。

 さらに中国の思惑が透けるのは、対インド関係だ。

 昨年、両軍の衝突で45年ぶ…

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