LINEに情報管理・経済安保の対応強化など提言 特別委が最終報告

中島嘉克、杉山歩
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 対話アプリ「LINE」の情報管理を巡る問題で、親会社のZホールディングス(HD)が設置した外部有識者による特別委員会(座長=宍戸常寿・東京大大学院教授)が18日、最終報告を発表した。個人情報や経済安全保障への配慮不足や、データ管理を巡って事実に反する説明をしたことなどが問題だったと結論づけ、改善に向けた組織体制の強化などを提言した。

 LINEを巡っては今年3月、利用者への説明が不十分なまま、個人情報が業務委託先の中国企業からアクセスできる状態にあったことなどが発覚。特別委は春以降、業務委託の状況やLINEの説明などに問題がなかったか調べてきた。

 最終報告では、中国企業からデータへの不適切なアクセスは確認されず、外部への情報漏洩(ろうえい)も認められなかったとした。一方、業務委託先を決める過程で、中国が企業に諜報(ちょうほう)活動への協力を義務づけている「国家情報法」などのリスクに適切に配慮しなかったと指摘。政府や自治体に「データは日本に閉じている」などと事実に反する説明を少なくとも役職者2人がしていたことも問題視した。

 その上で特別委は、グループとしてのガバナンス強化のほか、事業会社ごとにプライバシー保護や経済安全保障などの責任者を置く仕組みや、ユーザー代表も含めた有識者会議の新設も求めた。提言を受け、ZHDとLINEは改善策を公表。ZHDは今後、有識者会議を設けるとしたほか、LINEは、リスク管理部署の独立や経済安保の管理体制強化などに取り組むとした。

 特別委の宍戸座長は「経済活動をグローバルに行うデジタルプラットフォーム事業者は、社会の懸念を先取りし、グローバルなガバナンスを継続的にアップデートしていくことが求められる」などと述べ、ユーザー目線での企業統治が必要だと指摘した。(中島嘉克、杉山歩)

特別委の最終報告の骨子と主な提言

【報告骨子】

・中国企業からデータへの不適切なアクセスはなし。外部への情報漏洩(ろうえい)も認められず

・業務委託先を決めるにあたり、中国の国家情報法などのリスクに適切に配慮しなかった

・政府や自治体に事実に反する説明をした

【提言】

・グループとしてのガバナンス強化

・事業会社ごとにプライバシー保護や経済安全保障の責任者を置く

・外国法令などを調査・分析する体制の強化

・ユーザー代表を含めた有識者会議の新設