「絵絹」で日本画、独特の風合い 各務原の市新庁舎で企画展

松永佳伸
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 岐阜県各務原市の新庁舎高層棟の完成を記念し、1、2階に設けられたショーケースで、同市特産の絵絹を使った掛け軸を展示する企画展「寿(ことほ)ぐ」が開かれている。若者の感性を生かして日本画の魅力をアピールし、絵絹の文化を継承しようと、名古屋芸術大学日本画コースの学生らが手がけた作品14点が並ぶ。12月23日まで。

 絵絹は、主に日本画を描く素地として使用する目的で生産された絹織物のこと。色の発色や定着をよくするために細かく均一に織り上げられている。

 各務原市内には絵絹を製造する企業があり、国内シェアのほぼ100%を占めているが、掛け軸などに多く使用されてきた絵絹は、住宅事情などから需要が減り、生産技術を受け継ぐ担い手不足が深刻で存続が危ぶまれている。

 そこで、市は今年度から名古屋芸術大日本画コースと連携し、アートに関わる若い世代に「絵絹」の存在やおもしろさを知ってもらおうと、「かかみがはら えぎぬ プロジェクト」を立ち上げた。

 絵絹による日本画の魅力をアピールするとともに、絵絹の文化を未来に受け継いでいくのがねらい。

 企画展は、プロジェクトの一環として新庁舎の展示用のショーケースを使って開いている。花を持った女性を描いた同大大学院1年の安藤祐実さんは「絵絹は表装をするために厚塗りをしすぎないよう表現に悩み、苦戦した」。同大日本画コースを卒業し、現在は助手を務める大見真里佳さんは「和紙とは違う絹独特の柔らかい風合いが好きです。絹に色をおいた時、静かにすーっと吸い込まれていく様子がいとおしく感じる」と話す。

 企画展は平日の午前8時半から午後5時15分まで自由に観覧できる。(松永佳伸)