「強制連行」記述を訂正 歴史・公民の教科書6社、政府答弁書ふまえ

伊藤和行
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 戦時中に朝鮮半島の人々を日本で働かせたことについて、歴史や公民の教科書を発行する高校と中学の教科書会社計6社が、「強制連行」という用語を「強制的に動員」などと訂正する申請を文部科学省に出し、11日に承認されていたことがわかった。閣議決定された答弁書の内容をふまえた。

 文科省によると、訂正申請を出したのは、東京書籍、第一学習社、学び舎、山川出版社、実教出版、清水書院の6社の歴史や公民の教科書計13カ所。「強制連行」という記述は残したまま、注釈で答弁書の内容を付記する社もあった。

 政府は4月27日、朝鮮半島から来た人々について「移入の経緯は様々であり、『強制連行された』もしくは『強制的に連行された』または『連行された』と一括(ひとくく)りに表現することは、適切ではないと考えている」などとする答弁書を閣議決定していた。「従軍慰安婦」という用語についても「単に『慰安婦』という用語を用いることが適切」との答弁書を閣議決定した。

 これに対し、市民団体「子どもと教科書全国ネット21」は18日に記者会見し「常態化すれば、教科書の記述がいつでも政府の意向で変えられてしまう」と訴え、政府に答弁書の撤回などを求めた。この要求への賛同団体は192にのぼったという。(伊藤和行)