パウエル元米国務長官死去 新型コロナの合併症、84歳

ワシントン=高野遼

 米ブッシュ(子)政権で、アフリカ系(黒人)として初めて国務長官を務めたコリン・パウエル氏が18日、新型コロナウイルス感染の合併症により死去した。同日、家族が声明で明らかにした。84歳だった。

 家族は声明で「彼はワクチンを接種済みだった。治療に当たった医療スタッフに感謝したい。卓越した愛情深い夫、父、祖父であり、偉大な米国人を私たちは失った」と記した。

 1937年、ニューヨーク市生まれ。両親はジャマイカからの移民だった。大学で陸軍の予備役将校訓練隊に入り、卒業時に任官。ベトナム戦争には2度従軍し、負傷して勲章も受けた。帰国後「エリートクラブ」と言われるホワイトハウス・フェローに登用され、大将に昇進。ブッシュ(父)政権で軍人の最高ポストである統合参謀本部議長まで上り詰め、パナマ侵攻や湾岸戦争を指揮した。

 陸軍退役後、自伝「マイ・アメリカン・ジャーニー」を執筆してベストセラーに。96年の大統領選では立候補が取りざたされたが、黒人の大統領はまだ受け入れられないと感じた夫人が身の危険を理由に反対し、断念した。

 2001年、ブッシュ(子)政権で国務長官に就任。軍事力への依存が際立つ政権にあって、国際協調と外交の重要性を説き続けた。イラク戦争の開戦にも慎重だったが、最終的には支持。03年に国連安全保障理事会での演説で、イラク大量破壊兵器を保有する証拠を挙げ、米国はイラク戦争へと突入した。だが大量破壊兵器は見つからず、パウエル氏は退任後に「人生の汚点」と振り返っていた。

 ブッシュ(子)氏は18日、声明を出し、「コリン・パウエルの死を深く悲しんでいる。多くの大統領がパウエル将軍の助言と経験を頼りにしていた。彼は国内外で高く評価されていた」と述べた。(ワシントン=高野遼)