「密」回避にあの手この手 荷台で演説、SNS駆使 コロナ禍の選挙

2021衆院選

佐々木凌、青山祥子、関根慎一
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 19日に公示される衆院選は、コロナ禍のもとで迎える初の全国規模の選挙となる。国内の新規感染者の数は大きく減少しているが、各陣営や各地の選挙管理委員会は「密」を生じさせないよう、あの手この手で対策を進めている。

 茨城県内の小選挙区から立候補予定の無所属元職の陣営では、これまで屋内で開いてきた個人演説会を今回は屋外で実施する。公示翌日の20日からは聴衆と距離を取った上で、大型ビジョンが取り付けられたトラックの荷台をステージにし、政策やデータを画面に映しながら演説するという。米大統領選から着想を得たといい、降雨時は聴衆が自分の車の中から画面を見られるようにする。

 また、大人数を集めての集会が開きにくいため、前もって予定を公表しないゲリラ的な街頭演説を増やすという。この立候補予定者は「他の候補がやっていない、ITを活用した選挙に取り組む」と意気込む。

 千葉県立憲民主党前職の陣営では9月中旬、枝野幸男代表が応援に来た際、人が集まりすぎないよう演説場所を事前に告知しなかった。緊急事態宣言が9月30日いっぱいで解除された後は党幹部の演説場所を告知しているが、案内には「体調の優れない方はご遠慮下さい」「マスク着用を」「人との距離にご配慮ください」と呼びかけ、ユーチューブでの演説のライブ配信も案内している。

 コロナ下で迎える選挙とあって、握手や屋内での集会といった従来型の活動が制約されるため、動画投稿サイトやSNSを活用する陣営も増えつつある。新顔、ベテランに限らず、自らのチャンネルを開設し、政治経験や人柄の浸透を図ろうと力を入れる。

 一方、新規感染者が少ない地域では、「コロナ前」のような光景も。今月、東北地方のある県で自民党前職が行った事務所開きでは、100平方メートル余りのスペースに所狭しとパイプ椅子が並べられ、首長や地方議員ら百数十人が参加した。「想定以上の来場があり、断るのも失礼で椅子を増やした」(事務所)という。参加者は肩が触れ合うほどの間隔で着席。この集まりは約1時間半続いた。

 陣営は入り口で検温を行い、あいさつする人が代わるごとにマイクを消毒するなど対策も講じた。この立候補予定者は事務所開きの後、新規感染者数が県内で少ない状況が続いていると説明。「あまり縮こまってもしょうがない。安全対策をしながら活動を活発化させていく」と話した。

 有権者が訪れる投票所などでも対策は進む。

 埼玉県宮代町選管は20日に始まる衆院選期日前投票で、1人用の記載台を設置する。従来のアルミ製の2~3人用は重く、設置に一苦労だったため町職員が業者に相談。9月末の町長選と町議補選から10台導入した。1人用は軽量で、間隔を空けて置けばコロナ対策になる。

 町選管ではほかに、有権者の手と投票所スタッフの手が接触しないよう、入場券や投票用紙をのせて受け渡すための段ボール製トレーも準備した。(佐々木凌、青山祥子、関根慎一)

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