10日夕、私(25)は取材相手の口元のマスクから目が離せなかった。綿100%のふっくら感。あごがはみ出る小ささ。
そう、あの、アベノマスクだ。
話を聞いていたのは、千葉県選出の自民党参院議員の猪口邦子氏。女性議員をどう増やすか、がテーマだった。
猪口氏は雑談の中で「自宅でアベノマスクにアイロンをかけるし、自分のお弁当も作るのよ」と毎朝の風景を楽しそうに語った。
深刻なマスク不足に日本中が悩まされ、安倍晋三首相(当時)が「1世帯に2枚ずつ配る」と表明したのは昨年4月1日だった。
ところが、届くころには市販のマスクが出回り始めていた。「遅すぎる」「かっこわるい」「不良品がある」「ありがたい」……。賛否渦巻いたアベノマスクから、私たちは何を学ぶべきなのだろうか。
納入した企業を訪ねると…
千葉総局の同僚記者ら15人に聞くと、誰も使っていなかった。「せっかく届いたのだから」と使っていたのは私だけ。
当時取材先の奈良県警の警察…
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- 【視点】
マスク入手が困難で、マスク利用による科学的なメリットがある状況下で、政府がマスクを配ることに関して何ら問題はないように感じる。一方で、配るための予算を使うためのプロセスが不透明かつ、配られたものは全く利用されないような小さいマスクで世間は酷
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