(魂の中小企業)段ボールの家から描いた未来

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(前編)中3の秋、親に捨てられた。そしてボクは  

 たんす、ベッド、テーブル……。わたしたちの生活に家具は欠かせません。

 けれど、家具の業界を眺めてみると、深刻な光景が広がっています。

 有名で低価格な家具チェーンが広がり、中小の家具メーカーの多くが倒産、廃業しています。品質が良いのに、耐久性がすぐれているのに。

 これで良いのでしょうか?

 中小の家具メーカーは、人の暮らしを豊かにしようとしている熱い人たちの集まりです。すばらしい技能を伝承していく場所です。それぞれの地域を支える存在です。

 2018年、ひとりの青年が立ち上がりました。東京は築地にある「エアールームテクノロジーズ」の社長、大藪雅徳(まさのり)さん、26歳です。

 いま、中小の家具メーカー60社と、家具をつかいたい人とをネットでつなげています。そして、メーカーが在庫などとして抱えている家具をつかいたい人に、たんす月額3千円、とかでレンタルしているのです。

 中小メーカーにとって、おおいにプラスです。一流の技術でつくった家具が在庫として眠らず、つかわれるのですから。お金が入ってくるのはもちろんですが、つくった家具で人を喜ばすことができているのです。

 家具をつかう人にとっても、おおいにプラスです。生活に余裕がなくても、一流の家具をつかうことが可能になります。たとえば、お部屋の模様替えのとき家具もチェンジ、な~んてことも気軽にできます。

 でも、なぜ大藪さんはこんなサービスをする会社をつくったのでしょう。

 「ボクは、資本主義の世の中、ものを所有する世の中では生きづらい人に、生きていただきたい」

冷蔵庫に食材ぎっしり 両親は帰ってこなかった

    ◇…

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