エディタ・グルベローヴァさん死去 世界最高峰のソプラノ歌手

 世界最高峰のソプラノ歌手、エディタ・グルベローヴァさんが18日、スイス・チューリヒで死去した。74歳だった。

 旧チェコスロバキア生まれ。1970年、ウィーン国立歌劇場モーツァルト「魔笛」の夜の女王役を歌い、鮮やかな技巧と卓越した表現力で一躍、世界にその名を知られた。ドニゼッティやベッリーニなど、コロラトゥーラと呼ばれる声の技巧で繊細な感情を表現するイタリアオペラを得意とし、「ベルカント(「美しい歌」を意味するイタリアオペラの代表的な唱法)の女王」と呼ばれた。シリアスな役柄からコミカルな役柄まで幅広く演じ、メトロポリタン歌劇場など世界の歌劇場で活躍した。

 大の親日家で80年の初来日以降、15回を超える来日を重ねた。2011年、東日本大震災の年の秋にもバイエルン国立歌劇場公演で来日した。17年、70歳の時にハンガリー国立歌劇場来日公演で「ランメルモールのルチア」の題名役を歌ったのが日本での最後のオペラ出演だった。昨年、引退を宣言していた。

 ミラノ・スカラ座は「グルベローヴァの死を悼み、涙を流している。その音楽性に心を奪われた聴衆に愛され、共演者をそのコロラトゥーラの正確さと純真さで仰天させる、奇跡の才能を持った芸術家だった」とSNSで悼んだ。