北朝鮮、弾道ミサイル2発を発射 岸田首相「大変遺憾」

ソウル=鈴木拓也
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 19日午前10時17分ごろ、北朝鮮東部の咸鏡南道(ハムギョンナムド)新浦(シンポ)付近から、弾道ミサイルが日本海に向けて発射されたと、韓国軍の合同参謀本部が同日に発表した。韓国軍は、ミサイルのタイプや飛行距離など詳細については公表していない。岸田文雄首相は同日、福島市内で記者団に、2発が発射されたと明らかにしたうえで「大変遺憾」と語った。

 北朝鮮は9月に入り、新型の巡航ミサイルや短距離弾道ミサイル発射。同月28日には極超音速ミサイル「火星8」と称する短距離ミサイル、その2日後にも新たに開発した対空ミサイルを試射するなど、軍事活動を活発化させている。

 北朝鮮は8月の米韓合同軍事演習に反発して遮断した韓国との通信連絡線を今月4日に再開。金正恩(キムジョンウン)総書記が11日の演説で、米韓など特定の国を敵とはみなしていないと言及した。ただ、軍事力の強化は「自衛的な権利だ」と主張。「無敵の軍事力を保有し、強化するのは党の最重大政策」と述べており、国連安保理決議に違反する核や弾道ミサイルの開発を自衛的措置と正当化して進める方針とみられる。

 海上保安庁は19日、北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射されたと発表した。すでに落下したものとみられるという。同庁は船舶に対し落下物を確認した場合に近づかないよう注意を呼びかけている。

 首相は、情報収集・分析に全力を挙げ、国民に対して迅速・的確な情報提供を行うことや、航空機、船舶などの安全確認の徹底、不測の事態に備えて万全の体制をとることを指示した。

 衆院選の公示日のタイミングと重なったことについて、首相は「北朝鮮の意図については、私の立場から予断するのは控えたい。引き続き、事態の把握、情報収集、これにしっかり努めていかなければならない」とした。(ソウル=鈴木拓也)