松坂大輔、引退を語る 「野球を好きなまま終われてよかった」

構成・遠田寛生
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 19日に引退を正式に発表したプロ野球・西武の松坂大輔投手(41)。会見ではエースナンバー「18」への思い、野球とは、などについても語った。主なやりとりは以下の通り。

 ――印象ある試合、勝負

 「投手のベストゲームだったり、色々とありすぎてなかなかこの人、この試合、この1球と決めるのは難しい。見て感じるものだったり、記憶に残るものって人それぞれ違うと思う。何かをきっかけに、松坂はあんなボールを投げていた。あんな打者と対戦していたな、あんな試合あったなって思い出してくれたらいい」

 ――背番号18への思い

 「小さい頃にプロ野球を見始めて、その試合に映る桑田さん(巨人)の背番号18がものすごくかっこよく見えた。当時はエースナンバーと知らなかった。最初に受けた衝撃がそのまま残っていた」

 「だからエースナンバーと知る前から、プロに入って投手をやるなら18番をつけたいと思ってやっていました。18という数字にこだわってきたというか、周りにいい加減にしろと言われるぐらい、何でも18をつけたがる自分がいました。最後にこうやって18番をつけさせてくれた球団に感謝しています」

 ――背番号をつけてファンに姿を見せます

 「本当は投げたくなかったですね。今の自分の体の状態もあるし、この状態でどこまで投げられるかと思っていましたし。もうこれ以上、だめな姿は見せたくないって思っていた」

 「引退をたくさんの方に報告させてもらいましたけど、やっぱり最後、ユニホーム姿でマウンドに立っている松坂大輔を見たいと言ってくれる方々がいたので。もうどうしようもない姿かもしれないですけど、最後の最後、全部さらけ出して見てもらおうと思いました」

 ――試合後のセレモニーはどんな感じになりますか

 「セレモニーに関しては、改めてファン感謝デーの時にやらせてもらえるということなので、そこで改めてファンの方々には何か伝えられたらいいなと思っています」

 「今日は試合後にグラウンドを1周して、スタンドにあいさつにだけは行かせてもらいます。(セレモニーは)今日やるとナイターですし、みなさんも時間がないと思うので。そういう日にした方がいいかなと。終電もなくなってしまいますので(笑)」

 ――野球とは

 「気の利いたことを言えたらいいんですけどね。5歳ぐらいから始めて、35年以上になりますけど。ほぼ僕の人生そのものだと言えます。本当にたくさんの方々に出会えて、助けてもらって、ここまで生かされてきたと思いますね。本当にみなさんに感謝しています。その思いをこめて、何球を投げられるか分からないですけど、最後のマウンドに行きたい」

 ――野球への思いが揺らいだ時はあったか

 「これは僕だけではなくて、ほかにもけがをしている選手、結果がなかなかでない選手もいると思う。周りの方が思っている以上に、やはりそういう人にとって苦しいんですよね」

 「僕の場合は野球を始めたころから変わらない野球の楽しさ、野球が好きだという(気持ち)。その都度思い出して、何とか気持ちが消えないように闘っていた時期はありますね。どんなに落ち込んでも最後にはやっぱり野球が好きだ、まだまだ続けたい。(野球人生の)後半はぎりぎりのところでやっていた。いつその気持ちが切れてもおかしくなかったと思う」

 ――好きな気持ちは変わらないか

 「好きなまま終われてよかった」

 ――自信をもって投げられた最後はいつぐらいか

 「(レッドソックスにいた)2008年ぐらいですかね。今でも忘れない。細かい日付は覚えていないんですけど、5月か6月か。チームが(アスレチックス戦で)オークランドに遠征中で登板間のブルペンの日だった」

 「ロッカーからブルペンに向かう途中で足を滑らせてしまって、とっさにポールのような物を転ばないようにつかんだんですけど、その時に右肩を痛めてしまった。そのシーズンは大丈夫だったんですけど。シーズンオフからいつもの肩の状態じゃない」

 「そこからは肩の状態を維持するのに必死でした。フォームが大きく変わり始めたのは09年ぐらいからだと思う。そのころからは痛くない投げ方、痛みが出てもなるべく投げられる投げ方を探し始めた。そのときには、自分が追い求めるボールは投げられなかったですね。それからは、そのときそのときの最善策を見つける。そんな作業ばかりをやっていました」(構成・遠田寛生)