乳幼児向けパンの窒息事故 また浮き彫りになった基準作りの難しさ

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前田朱莉亜、小林未来
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 乳幼児向けの「かぼちゃとにんじんのやさいパン」をのどに詰まらせて1歳未満の男児2人が窒息し、1人が死亡した事故で、国民生活センターは19日、パンの大きさや水分量が窒息のリスクを高めたとする調査結果を公表した。子どもに与えるときは小さくちぎり、飲み込むまで目を離さないよう呼びかけた。

 パンは、カネ増製菓(大阪府河内長野市)が製造。センターによると、サイズは一口大(縦約3センチ、横約3・5センチ、厚さ約2センチ)。実験で、人工唾液(だえき)の中で、5分間、頻繁に容器に当たるようにかき混ぜたところ、形状が保たれたままだった。水分量は食パンの半分ほどで、類似品に比べて人工唾液の吸収スピードが15~20倍速かったという。

 1件目の事故では、昨年3月に沖縄県で生後10カ月の男児が丸ごと口に入れ窒息し、死亡した。いつもは男児が自分でかじって食べることができていたという。今年6月には静岡県で11カ月の男児が詰まらせたが、命に別条はなかった。

 同社は、対象月齢を10カ月ごろとしていたが、死亡事故を受け、今年2月から「1歳頃からご利用いただけますが、月齢はあくまで目安」などとパッケージに記載している。同社社長は「お子さんが1個丸ごと食べることは想定していなかった。申し訳ない」と話しており、来年1月以降、パンを軟らかくし、口の中に丸ごと入らないよう大きくするという。

 また、センターは会見で、事故防止のために業界に働きかけることを消費者庁に求めた。ただ、食品の形状などに関する乳幼児向けの国の基準はなく、センターの担当者は「のどに詰まる要因には食べる人の発達具合も関係しているので、食品だけに安全を担保する基準を設けることは難しい」と述べた。

 子どもの事故に詳しいNPO法人「Safe Kids Japan」の山中龍宏理事長(小児科医)は、基準がない理由に、データの蓄積不足を挙げる。「どんな硬さ・大きさ・粘着性・崩れやすさなら事故が起きやすいのかのデータを事故が起きる度に取って、社会で蓄積していく仕組みが必要。知見が積み上がれば基準も作りやすくなる」と指摘する。

過去に「こんにゃく入りゼリー」でも同様の議論

 食品の窒息事故を巡っては…

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