第2回かつての理想の街はいま ニュータウンが映す日本社会

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 「日本の縮図」とも言われるニュータウンは、現代社会が抱える課題を映す鏡だ。1960~70年代に開発された団地では高齢化が進み、施設の老朽化や空き家も目立つ。再生への岐路に立つかつての「あこがれの住まい」から、日本の未来を見つめた。

10月31日の衆院選投票日、人々は何を託そうとしているのでしょうか。私たちの現在地をお伝えします。

 郊外の駅に降り立ち、坂道を上り下りすること30分。小高い丘に立つ団地が見えてきた。建物の壁は色あせ、耐震補強の鉄骨が絡まるようにマンションを覆う。公園の遊具はさびれ、砂場には腰までの高さの草が生えていた。週末の正午過ぎだが、歩く人は少なく、ほとんどが高齢者だ。

 大阪市中心部から南に約20キロ。泉北ニュータウン(堺市南区)は、1967年のまちびらきから50年以上が経つ。人口は92年のピーク時から減少を続け、2020年には約3割減の11・8万人になった。

 「ここは再開発が進まず、人口も減る一方。高齢者の孤立も目立ちはじめている」。そう話すのは泉北ニュータウンでまちづくりに携わるNPO法人「すまいるセンター」の西上孔雄(よしお)・共同代表理事(54)。同年代の核家族が住み始めたニュータウンは、子ども世代が成長して転出すると、親世代が残り一気に高齢化が進む。さらに、夫婦のどちらかが亡くなると、独居世帯も増えていく。

 泉北ニュータウンの65歳以…

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