中国の極超音速兵器「地域の緊張を高めるだけ」 米国防長官が言及

ワシントン=園田耕司、北京=冨名腰隆
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 中国が8月に核搭載可能な極超音速(ハイパーソニック)兵器の実験を行ったと報じられたことをめぐり、オースティン米国防長官は18日、訪問先のジョージアで記者団に対し、「我々は地域の緊張を高めるだけの中国の兵器と先進的能力・システムの開発を注視している」と語った。

 ただ、オースティン氏は「報道の具体的な中身についてはコメントしない」と語った。英紙フィナンシャル・タイムズは16日、米情報機関の話として、中国が8月に行った実験では、ロケットで宇宙空間に打ち上げられた極超音速滑空体が地球の低周回軌道上を飛び、その後下降して、標的から約40キロ外れた場所に着弾したと伝えた。

 サキ米大統領報道官は18日の記者会見で、「我々は、中国が追求し続けている軍事能力に対する懸念はこれまでも明確に示している」と強調。ただし、「我々は厳しい競争は歓迎するが、競争が紛争へと発展することは望んでいない」と語った。

 一方、中国外務省の趙立堅副報道局長は18日の定例会見で「今回の試験は、宇宙船の再利用を可能にする技術を検証するためのものだ。宇宙船の帰還前に分離されたのは付属装置で、大気圏へ落下する過程で焼失・解体され、公海へ落下する」と報道を否定した。

 中国紙の環球時報も同日、「外国メディアのでっち上げ」とする記事を掲載。「中国脅威論をあおり武器開発予算を獲得することが目的だろう」との軍事専門家の見方を伝えた。(ワシントン=園田耕司、北京=冨名腰隆