健康保険組合の収支集計、3千億円の黒字 受診控えで給付額急減

村井隼人
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 大企業の社員らが主に加入する健康保険組合の2020年度の収支を合算すると、2952億円の黒字となる見通しとなった。健康保険組合連合会(健保連)が傘下の1388組合について集計し、19日公表した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で収入にあたる保険料は減ったものの、受診控えによって給付額が大きく減り、支出が抑えられたことが理由だ。

 健保連によると、保険料収入は前年度より596億円(0・7%)少ない8兆1841億円。コロナ禍で保険料の算出のもとになる社員の収入が減少したことが響いた。一方、支出では高齢者の医療費を負担する高齢者拠出金が1113億円(同3・2%)増えたが、受診控えの影響で保険給付額が2113億円(同5・1%)減の3兆9065億円だった。

 業態によって、保険料の激しい落ち込みが生じたのも特徴だ。保険料の算出の元となる報酬でみると、「生活関連サービス業、娯楽業」は標準月額報酬が前年度比4・4%減、標準賞与は同43・9%減と大きく減った。「宿泊業、飲食サービス業」もそれぞれ2・8%、26・4%の減少だった。

 赤字組合は458組合(33%)にのぼり、うち30組合は特例猶予などによる未収額が計206億円になるという。

 健保連の佐野雅宏副会長は、20年度の給付額について「これほど下がったのは異例」と話す。ただ、21年度は7月時点でコロナ禍前の保険給付額の水準に戻っており、年度の収支は赤字を見込んでいるという。(村井隼人)