茨城わりどご見っかんねんだ 魅力度また最下位、逆襲のご当地ラップ
一番魅力がねえ県 茨城 てーへんだ 最底辺だ でも変だ なんか実感ねんだ わりどご(悪いところ)見っかんねんだ
民間の調査会社による47都道府県「魅力度ランキング」で、今年再び最下位となった茨城県。その魅力を発信しようと、「イバラッパー」と称して2014年から動画サイトでご当地ラップを配信している。当時も、茨城は最下位の座にあった。状況を逆手にとって作ったのが冒頭の「茨城最下位もう一回」。茨城弁を軽妙に操り、「宣伝効果は絶大 むしろもう一回」と開き直って呼びかける。
もともと音楽活動の経験はゼロ。でも、各地でご当地アイドルが活躍するのを見て、茨城弁を前面に出す音楽ができないものかとラップを作り始めた。歌詞はすべて考える。「茨城の人も知らないエピソード」を盛り込むのがこだわりだ。
県西部の常総市出身。実家の周りは見渡す限り田んぼだ。高校卒業後、都内の大学に進学し、そのまま都内のコンピューター関連の会社に就職したが、朝から晩まで「歯車のように」働く生活に疑問を感じ、1年半でUターンした。
IT関連の講習会で生計を立てながら、「イバラキング」と題するホームページを立ち上げた。「コンビニよりも精米所が多い」などと地元の人がくすりと笑うような「あるある」を発信すると、イベントに呼ばれるようになった。
実家を離れるまで茨城に特別な思い入れはなかった。県外出身の友人から、茨城弁が面白がられたり、地元のエピソードがちょっとした注目を集めたりするうち、故郷を思い直した。「面白いところに気づいていなかったのでは?」
だからこそ、県民にとって「当たり前」の言葉や景色の味わい深さを掘り起こすよう心がける。現在は県内のラジオ局でMCを務める傍ら、イベントにも引っ張りだこだ。6日には、茨城の魅力を詰め込んだ漫画で、自身が監修に携わった「だっぺ帝国の逆襲」も発売された。
ひそかな夢は、茨城をテーマにした映画に関わること。「文字では伝わらない濁音の感じやイントネーションを広めたい」(久保田一道)
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