阿蘇山が噴火、噴煙が上空3500Mまで 警戒レベルを3に引き上げ

安田朋起
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 熊本県阿蘇山・中岳第1火口で20日午前11時43分ごろ噴火が発生した。福岡管区気象台は5段階ある噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から3(入山規制)に引き上げ、火口から約2キロ以内の立ち入りが規制された。阿蘇山がレベル3に上がるのは2016年10月8日の爆発的噴火以来、5年ぶり。

【動画】噴火する阿蘇山、阿蘇・草千里ケ浜から撮影=2021年10月20日午前11時43分ごろ、読者提供

 気象台によると、噴煙は高さ3500メートルに達し、大きな噴石が南に約900メートル飛散。上空からの観測で火口から北に約1・6キロまで火砕流の痕跡を確認した。熊本県阿蘇市、高森町、山都町と宮崎県高千穂町五ケ瀬町の一部で降灰を確認した。噴火の規模は16年の爆発的噴火より小さく、高さ2000メートルの噴煙や火砕流が観測された15年9月14日の噴火に近いとみている。県によると、けが人や物的被害の情報はなく、噴火時の登山者16人全員の下山を確認したという。

 阿蘇山では今月13日から火山性微動の振幅が大きくなり、気象台は13日午後に警戒レベルを1(活火山であることに留意)から2に引き上げた。振幅が再び大きくなった18日午後には、臨時の火山解説情報を出して火山活動の高まりを伝えていた。今後も同程度の噴火が続く可能性があるとして、火口から約2キロ以内で大きな噴石や火砕流への警戒を呼びかけている。

 噴火時の警戒範囲は火口から約1キロ以内だった。その外まで火砕流が到達したことについて、気象台の鳥巣啓多・火山防災情報調整官は「重く受け止めている」と述べ、レベルの判定基準の改定が必要か検討していく考えを示した。

 阿蘇山に詳しい京都大火山研究センター(熊本県)の大倉敬宏教授は「阿蘇山で起こりやすい通常の噴火で、今のところ水蒸気噴火とみている。1カ月は不安定な状態が続くのではないか」と話した。(安田朋起)

 熊本県阿蘇山の噴火を受け、政府は20日午前11時44分、首相官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置した。磯崎仁彦官房副長官は記者会見で「詳細について情報収集を進めている。対応等についてこれから鋭意検討する。危機管理には万全を期している。しっかりと対応していきたい」と述べた。

 岸田文雄首相(自民党総裁)は衆院選の演説で、同日午前に兵庫県に入り、午後に広島県を訪れる予定。首相周辺によると現時点で日程の変更はないという。