第1回通学中に吐き気、涙もろくなった自分 理由分からぬまま遠のいた日常

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阿部朋美
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 「なんで不登校になっちゃったんだろう。2年前は無関係だと思ってた」

 愛知県の中学3年生の男子生徒(15)は5月、動画アプリ「TikTok(ティックトック)」に、そう手書きした画像をアップした。

 涙を流す自画像を添えて記した。

 「なんにも考えたくない」

 「なんだか涙が出てきた」

 きっかけは、昨春の一斉休校だった。

 当初は「たくさん休めてラッキー」くらいに思っていた。

 しばらくはゲームざんまいの日々。しだいにゲームに飽き、友人とLINEで連絡を取ったり、趣味のイラストを描いたりしているうちに、休校期間が終わった。

 学校が再開した6月、体調に異変が現れた。

 徒歩20分の通学路で、頭痛や吐き気をもよおし、嗚咽(おえつ)するようになった。

 小学校と中1の時は皆勤賞だった。勉強はそれほど好きではなかったが、学校には仲の良い友人もいるし、いじめられているわけでもない。

 家にいるときは元気なのに、学校に行こうとすると、頭が痛くなった。なぜなのか、自分でもわからなかった。

 不登校の小中学生が過去最多となり、昨春の一斉休校がその一因と指摘されています。この男子生徒も学校に通えなくなり、「裏アカ」で切実な思いを吐露しますが、本当の不安はその先にありました。

目をそむけた人気漫画のつらい場面

 徐々に休む日が増え、夏休み

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    内田良
    (名古屋大学准教授・教育社会学)
    2021年10月28日16時2分 投稿
    【視点】

    大人の側は、不登校傾向の子供に明確な理由を求めたがります。実際には記事にあるような「なぜなのか、自分でもわからなかった」というケースも多いのですが、大人はそれらをたんに「わがまま」ととらえてしまいがちで、子供はそれによって余計に「理解されな

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    三島あずさ
    (朝日新聞記者=ジェンダー、教育)
    2021年10月28日11時17分 投稿
    【視点】

    男子生徒の気持ちに寄り添い、丁寧に取材を重ねて書かれた記事です。 東京では3カ月にも及んだ昨春の一斉休校は、未知のウイルスへの恐怖、子どもたちの学習や心身についての不安、仕事との両立の悩みなど、小中学生を育てる私も大混乱に陥った時期で