アメリカはどこへ向かうのか、最前線からの報告 日本はどうする?

コーディネーター・宮地ゆう
【動画】アメリカはどこへ向かうのか
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 国際シンポジウム「朝日地球会議2021」(朝日新聞社主催)はオンラインで開催され、4日目の20日、パネル討論「アメリカはどこへ向かうのか:町山智浩の最前線報告」を配信した。映画評論家でコラムニストの町山智浩さんが米カリフォルニア州からリモートで参加し、テレビやラジオで活躍する文筆業の能町みね子さんが登壇した。アメリカは、コロナ禍や中国との対立、アフガニスタン情勢、トランプ前大統領の再始動などで揺れ続けている。分断が深まるなか市民はどのように考え行動しているのか。ワクチン接種を巡る社会の動きや、文化にも目を向け、街角の声を取材した最前線からの報告とともに、日本も無縁ではいられない社会の分断を考えた。

 コロナや政治の分断の中で、米国はどこへ向かうのか。米国在住の映画評論家・町山智浩さんが現地で取材した映像を交え、文筆業の能町みね子さんと、日米の政治参加やネット世論についても語り合った。

 米国ではコロナ禍で混迷が続く。共和党が強いテキサス州では「マスク着用の義務化を禁止する」との知事の命令が出され、さらにそれに対する訴訟が起きるなど、マスクやワクチンが政治問題化し、論争は激しい。ワクチン接種率は出遅れていた日本よりも低く、米国のコロナの死者は70万人を超えた。

 米国に分断をもたらしたトランプ前大統領は、24年の大統領選に再び参戦するとの臆測もある。町山さんは各地のトランプ支持者たちの映像を見せながら、「支持者は先鋭化し、個人崇拝のようになりつつある」と指摘。共和党トランプ氏の人気に依存する状態になっていると話した。一方で、「トランプ信仰」に火を付けたグループに話を聞くと、当初はそこまでトランプ氏を信奉していたわけではなく、彼らの手を離れて熱狂的な人気が広がったこともわかったという。

 能町さんは、分断が深まるネット世論の動向に注目。日本では社会問題を真面目に議論しようとすると「上から目線」で嘲笑されると指摘し、「真面目な人を一度つぶしてオチにするという、テレビのお笑い番組の作り方も影響しているのではないか」と語った。

 米国では著名人が支持政党を明確にして投票を呼びかけている。前回の大統領選では投票妨害があったと言われるが、投票率は約65%あった。能町さんは、日本の芸能界には政権に反することを言いにくい構図があると指摘しつつ、最近は一部の芸能人などが声を上げ始めたことに変化を感じると語った。(コーディネーター・宮地ゆう