「徴兵制」と「総力戦」が後押し 東大入試から考える女性解放史

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太田啓之
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 性差別の撤廃、女性の社会進出は、数世紀にわたる人類の課題だが、今も解決していない。東京大学が2018年度「世界史」で出題した女性参政権・女性解放運動についての問いを、東進ハイスクール・河合塾講師の清水裕子さんに解説してもらった。

解きやすくなった東大入試

 東京大の世界史の入試問題は、現代社会における問題の起源や歴史的な経緯を問うことが多い。18年度の問題も、その流れの中にありますが、学生に占める女性の比率が低いという、東大自身の抱える切実な問題の反映とも見えます。

 昭和の頃の東大入試問題だったら、今回の設問のような長い前書きはなく、最後の段落の「問い」と「使用語句」を示す部分だけだったでしょう。この問題では懇切丁寧な前書きを記すことで、受験生に解答のアウトラインを既に示している。

 受験生はこれに沿った形で「ナイティンゲールは女性の専門職として看護職の確立に努めた」「キュリーはラジウムの発見などで女性初のノーベル賞を受賞した」などの具体的事実を示し、解答を作ればよい。若年層の人口が減り、直接海外の一流大学を目指す受験生も増える中、東大も受験生に歩み寄り、解きやすい問題を出すようになった印象です。

 近代以降の性差別、性的分業…

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