米駐日大使候補、ようやく公聴会へ 民主党内からは反対も

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ワシントン=園田耕司
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 次期米駐中国大使に指名されたニコラス・バーンズ元米国務次官の指名承認公聴会が20日午前(日本時間同夜)、上院外交委員会で開かれた。同氏は「中国に対する(米国の)強みは同盟国をもつことだ」と強調。同盟国との緊密な協力のもと、中国と激しく競争する考えを示した。同日には駐日大使に指名されたラーム・エマニュエル前シカゴ市長の公聴会も開かれる。同氏の人事は足元の民主党内でも反対の声がくすぶり、注目を集めている。

 バーンズ氏は北大西洋条約機構(NATO)大使などを務めたのち、ブッシュ政権下の2005~08年に国務次官(政治担当)を務めた。公聴会で、ブリンケン米国務長官の言葉を引き、「中国との関係は21世紀における地政学上最大の試練だ」と指摘。経済や新興技術の面で中国と激しく競争する必要性を訴えると同時に、気候変動や核不拡散で協力する必要性も説いた。

 中国が軍事的圧力を強めている台湾については、「米政権と議会は、台湾が十分に自主防衛できる能力を維持できるように支援するべきだ」と強調。一方、中国を正当な国家として認める「一つの中国」政策を継続する考えも示した。

 バーンズ氏は「(米中間の)紛争のリスクをなくすために、バイデン政権が効果的なチャンネルを模索するのは正しい」と述べ、米中両国は意思疎通をしながら競争関係を管理する必要性を訴えた。

 バイデン政権は中国との関係…

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    佐橋亮
    (東京大学東洋文化研究所准教授)
    2021年10月21日9時25分 投稿
    【解説】

    非常に対照的な人事を興味深く見ています。エマニュエル氏は大物政治家、ニコラス・バーンズ氏はベテラン外交官。同盟国にはホワイトハウス含め、政界に直接コンタクトができる大物をあてがうことで尊重している素振りをみせる。他方で、中国というライバルに

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