「あの時、抱きしめるべきだった」 トヨタ販売店パワハラ自殺の遺族

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山本恭介、橋本拓樹、近藤郷平
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 神奈川トヨタ自動車横浜市)の男性従業員(当時38)がうつ病を発症して3カ月後に自殺したことについて、藤沢労働基準監督署神奈川県藤沢市)が上司によるパワーハラスメントが原因の労災と認定したことが分かった。遺族側が20日、記者会見して明らかにした。認定は6月22日付。

 遺族側によると、男性は2013年ごろから同社(当時はトヨタカローラ横浜)藤沢店で販売などに従事。18年に異動してきた上司から1時間以上叱責(しっせき)されたり、「ばかやろう」と言われたりすることがあった。男性は19年2月ごろにうつ病を発症。5月に自宅で自殺したという。藤沢労基署は上司のパワハラによるうつ病が原因と認定した。うつ病との因果関係は示されなかったが、発病前6カ月間に月平均80時間を超える時間外労働が認められ、「過労死ライン」を超えていた。

 厚生労働省の労災認定基準には昨年6月から「パワハラ」の項目が加わった。今年10月には、トヨタ自動車の男性社員の自殺をパワハラや過重労働を原因とする労災と認定した名古屋高裁判決が確定している。遺族側の弁護士は会見で「企業はパワハラを防止する労働環境の整備が急務になっている」と語った。

 男性の母親は会見で「なぜ息子が死ななければいけなかったのか、どうしても知りたかった。息子と同じ目にあう人がでないように、会社を変えてほしい」と訴えた。

 神奈川トヨタ自動車は取材に「労災認定は事実で、該当上司は降格処分とした。再発防止に向け、当時の事実関係をさらに調査している」とコメントした。

 神奈川トヨタ自動車はトヨタ自動車との資本関係はないという。トヨタ自動車は「このような事案が再び起きないよう、今回の事例の反省も共有しながら販売店各社の意識変革を促していく」との談話を出した。

男性の母親、忘れられないあの日の会話

 「お客さんの顔ではなく、店長の顔色ばかり見てしまう。どうしたらいいんだろう」

 男性は、うつ病と診断された…

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