阿蘇山噴火、コロナ制限解除の矢先に 観光への影響は

堀越理菜、女屋泰之、藤原慎一
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 5年ぶりに噴火警戒レベルが3(入山規制)に引き上げられた阿蘇山は、九州有数の観光名所。新型コロナ緊急事態宣言が全国で解除され、遠のいた客足を取り戻そうと動き出した矢先の噴火だけに、関係者には不安が広がる。

 噴火した中岳第1火口から西に約3キロにある草千里ケ浜のレストランには当時、駐車場に数台の観光バスが止まり、観光客らが食事をしていた。従業員の60代男性によると、混乱もなく、噴石が落ちるなどの被害もなかったという。

 屋内で作業していた男性は、高く上がった噴煙で噴火に気づいた。中岳からは日常的に噴煙が上がっているが、「ここまで高い噴煙は久しぶりに見た」。

 噴火のニュースに問い合わせも相次いだ。

 阿蘇市観光協会職員の大塚孝さん(36)によると、噴火から5時間で、観光案内所には「宿や観光地は大丈夫か」といった問い合わせが約70件来たという。爆発的噴火があった2016年も、同様の問い合わせや宿泊のキャンセルが相次いだ。

 阿蘇市にある内牧温泉や大観峰などは、中岳火口から直線距離で10キロ以上離れている。「阿蘇山と観光地の距離感を知らずにテレビのニュース映像を見ると、恐怖を感じる方もいると思う。(観光への影響が)心配です」と大塚さん。

 新型コロナの影響で20年の県全体の観光客は前年の62%まで落ち込んでいたが、ようやく感染拡大の波が収束。県は15日から観光キャンペーンを再開し、徐々に客足が戻りつつある中だっただけに、大塚さんは「できればお越しいただきたい」。

 県観光企画課の担当者は「阿蘇や熊本県全域が危険だと思われないように、適切に情報発信をしていきたい」と話した。(堀越理菜、女屋泰之、藤原慎一)