青森のリンゴ農家、人手不足が深刻 ベテラン農家の「里親制度」も

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林義則
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 人口減に歯止めがかからず、120万人割れ目前の青森県。産業や人びとの暮らしを脅かしている問題に、対応する処方箋(せん)はあるのか。まずは青森を代表するリンゴから見る。

 リンゴの本格的な収穫期を控えた10月初旬。岩木山の山裾に広がる青森県弘前市の佐藤恵一さん(51)の畑では、市の若手職員2人が葉摘み作業に没頭していた。2人は、深刻化する栽培農家の人手不足を補おうと、市が今秋から導入した副業制度の第1号。12月まで週1日、葉摘みや収穫を担う予定だ。

 市はこの制度の導入を9月に発表したが、10月半ばまでに農家から61件の求人が寄せられた。アルバイト先の農家と利害関係のない職員に副業を認め、今秋は約30人が就労する予定だ。佐藤さんは「労働力はいくらでもほしい。本当に助かる」と話す。

 佐藤さんはこれまで、家族4人と60~70代の臨時作業員数人で、約3・5ヘクタールある畑の栽培を続けてきた。ところが今春、隣の畑の所有者が亡くなり、遺族に頼み込まれて1・5ヘクタールの畑を買い取ったことで、さらに人手が必要になった。

 リンゴは色づきをよくする葉摘みや、収穫の時機を逃すと値が下がる。佐藤さんの畑でも人手不足で一部の収穫が遅れれば、採算ぎりぎりで出荷せざるを得なくなる。「今でもあと2人は雇いたい。うちの家族も年をとれば、さらに人手が必要になる」と訴えた。

労働力、今後10年間に「足りなくなる」46%

 県内のリンゴの生産量は2020年産が46万トン。9年連続で40万トンを超え、日本一を維持しているものの、それを支える農家は大幅に減り、高齢化も進んでいる。

 国の農林業センサスによると…

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