首位争いのロッテ、ファンと見た一戦 18連敗の伝説で「おおらか」

有料会員記事

竹中美貴、藤谷和広
[PR]

 プロ野球パ・リーグで、千葉ロッテマリーンズオリックス・バファローズが熾烈(しれつ)な首位争いを続けている。19日試合開始前時点の順位はロッテが1位だが、ゲーム差はなし。最終盤の混戦をファンはどう楽しんでいるのか。

 19日、ロッテファンが集い、取材に度々協力してくれた千葉県市川市南八幡の居酒屋「二代目 東山」に向かった。

 午後6時、ソフトバンク戦が始まった。ネット配信の映像がテレビに流れる。

 相手先発は昨季リーグ投手部門3冠の千賀滉大投手。

 公務員のミタさん(36)は「千賀かあ。今日当ててくるなんて、ちょっと意地悪」。初球から157キロの直球が走る。ロッテは四球で走者を出すものの、併殺に倒れた。

 序盤、お客は皆冷静。なぜ冷静なのか。聞くと、会社員のイトウさん(43)は、「マジック点灯が期待されてから、実際に付くまで長かった。だから一喜一憂はしないんだ」と自身を落ち着かせるように語った。

 三回裏2死二塁のピンチで中村奨吾選手が二塁ライナーをダイビングキャッチ。

 店主の西山明孝さん(48)がカウンターから「ファインプレー!」。ミタさんは「これは間違いなく、今日の(テレビ朝日番組が一押しプレーを取り上げる)熱盛(あつもり)だ」と喜んだ。

 0―0で迎えた六回裏、均衡が崩れる。ロッテ先発小島(おじま)和哉投手は先制を許すと、さらに次打者に3点本塁打を浴びた。

 打った瞬間、本塁打とわかる当たりに、店内は「あ~」の悲鳴。抜けた変化球が甘く入った失投だったが、今季10勝の左腕を責める声はなかった。みなが「小島のおかげでここまできた」と口をそろえた。

 最初どんと構えていたイトウさんが「今日は流れが悪い」と繰り返す。首位を争うオリックスの試合状況をせわしく確認し始めた。

 ロッテ打線は七回まで千賀投手に無安打に抑えられた。

 会社員のサトウさん(30)がしみじみと語り出した。「だいたい3位争いがやっとのチーム。優勝争いをしているのが不思議な気分」

 ファンの間では1998年の18連敗が伝説となっている。いまもプロ野球記録だ。「負け続けても声援を送り続けるファンの姿を見て、自分もファンになった」とミタさん。イトウさんは、「だからロッテファンは負けにおおらかですよ」と語った。

 八回表、ロッテ最大の好機が訪れる。1死一、二塁で荻野貴司選手の打球は右翼後方に飛ぶ。しかし、相手の好捕に阻まれた。

 一喜一憂しないはずのイトウさんは「もう。なんでタッチアップしてないんだ」とぼやきが止まらない。おおらかさを自負していたはずのファンも、お酒が進んだからか思わず熱くなる。次打者が打ち取られ、好機をつぶした。

 午後9時。同店は県の自粛要請に従い、営業はここで終了。試合途中だったが、ファンは家路についた。悲壮感はない。「きょうはこういう流れだね。切り替えましょう」

 試合は0―6の完敗でロッテは2位に。残り6試合。次戦は23日午後2時から、本拠のZOZOマリンスタジアムで日本ハム戦だ。(竹中美貴、藤谷和広)

現・千葉ロッテの主な歴史

1949年 「毎日オリオンズ…

この記事は有料会員記事です。残り261文字有料会員になると続きをお読みいただけます。