体切られても大丈夫、でも「逃げ場」なし 湖底の固有種が告げる危機

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杉浦奈実
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 世界中で琵琶湖の底にしかいない生物がピンチだ。大津市の認定NPO「びわ湖トラスト」がこの夏、水中ロボットを使って調査し、固有種「ビワオオウズムシ」が大幅に減少している可能性があると16日に発表した。気候変動に伴う環境の悪化が背景にあるとみられる。湖底から逃げられない生物の危機は、湖の将来に警鐘を鳴らしている。

 ビワオオウズムシは、体を切ってもそれぞれが小さな個体に再生することで知られるプラナリアの仲間。この仲間としては国内最大で、体長5センチほどになるとされる。薄い赤色で、琵琶湖固有種だ。環境省のレッドリストで絶滅危惧Ⅰ類に指定されている。

 同NPOは7月下旬、調査船「はっけん号」から3台の自動運転の水中ロボットを、湖内の5カ所(水深60~100メートル)に下ろして調査した。約4万平方メートル分の湖底の動画と静止画を撮影し、ビワオオウズムシの姿を探した。

 滋賀県高島市の今津沖の地点では、1平方メートルあたりの平均個体数は0・46匹だった。2008年に近くで行った同様の調査では、平均3匹で、今回は大幅に減っていた。

 同NPO事務局長の熊谷道夫・立命館大学客員教授は「昔は密集して生息する様子もよく見られたが、今回は1匹ずつ、ぽつんぽつんとしていた」と話した。

 異変が確認されたのは昨年の…

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