バス死亡事故の保育園で虐待 たたく・暴言・トイレ放置…隠蔽行為も

藤山圭
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 福岡県中間市の双葉保育園で、男児が送迎バスに閉じ込められて死亡した問題をめぐり、福岡県と中間市は21日、職員が複数の園児らに頭をたたくなどの虐待があったとして、同園の運営法人に改善勧告を出した。男児の死亡に関する県などの監査に対して隠蔽(いんぺい)行為も確認されたという。

 バス事故に関する特別監査で実施した保護者へのアンケートで、園児への不適切な指導を指摘する回答などがあり、県と市が先月から改めて特別監査を行っていた。

 県によると、職員らは2019年以降、園児らに対し、げんこつでたたき、腕を強く引っ張る▽足を取り、逆さに持ち上げる▽「好かん」「ばか」といった暴言▽バス事故後に「あんた嫌い」と暴言▽バスタオルで巻いた状態で長時間、トイレに放置――などの行為を確認したという。

 また県と市の特別監査の前に、特定の職員が別の職員に対し、園内の虐待を証言しないように依頼していたという。

 県は「日常的な職員による入所児童への心身に有害な影響を与える行為を止めることができない状態が継続していた」と指摘。運営法人に対し、虐待行為の原因の検証や、再発防止に向けた取り組みを来月22日までに報告するよう勧告した。

 バス事故は今年7月29日に発生。当時5歳の男児が登園のバス車内に取り残され、熱中症で死亡した。バスは女性園長が1人で運行していたが、到着後の車内確認が不十分で、男児を取り残したままバスを施錠していた。

 県と市は特別監査を実施し、園長らの責任の明確化や登園時の出欠確認のルールの見直しなどを求め、運営法人が改善策を県に提出して受理されていた。(藤山圭)

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