漠然と抱く未来への不安 これからの時代を生きるのに必要な力は

伊木緑
【動画】パネル討論「『未来』に愛こそ注ごう 少しでもマシな世界のために」
[PR]

 国際シンポジウム「朝日地球会議2021」(朝日新聞社主催)はオンラインで開催され、最終日の21日、パネル討論「『未来』に愛こそ注ごう 少しでもマシな世界のために」を配信した。ヤフー・CSO(チーフストラテジーオフィサー)で慶応大学教授の安宅和人さん、NO YOUTH NO JAPAN代表理事の能條桃子さん、早稲田大学政治経済学部2年生の吉田裕喜さんが登壇した。

 この国は、人類はこれからどうなるのか――。多くの人が未来に漠然と不安を抱くいまの世の中。どうしたら少しでも「ましな」未来が描けるのかを、事細かに、かつダイナミックに提言した「シン・ニホン」が話題を呼んでいる。AI時代に若者はどう生き延びればいいのか。どんな力をつけていけばいいのか。大人はいったい何をすればいいか。「どんなことを仕掛けたら未来を変えられるのか。それを考え、仕掛けていくのは楽しい」と説く著者の安宅さんと若者たちが語り合った。

 国家予算の構成を数%変えて、教育や研究など未来への投資へ回そう――。慶応大教授でヤフーチーフストラテジーオフィサーの安宅和人さんの提言は今年度、10兆円規模の大学ファンドという形で結実した。「未来への投資は5年後、10年後に必ず効いてくる。豊かで強く、滅びない国になる」と話した。

 人口減少、低成長の時代の「豊かさ」とは。安宅さんは「経済成長そのものが重大だという時代は終わった」と説明。若者の政治参加を促す「NO YOUTH NO JAPAN」代表で慶応大院で経済を学ぶ能條桃子さん(23)は「気候変動も深刻化している。私も経済的な価値観で生きてきたが、それだけじゃないんだろうなと思い始めている」と応じた。

 そんな時代、市民は何をしたらいいのか。高校生に主権者教育を行う活動をしている早稲田大政経学部2年の吉田裕喜さん(20)は、大学生活がずっと新型コロナ禍にあることへの葛藤を語り、「社会問題と自分たちの生活との関わりをしっかり考えることが大事だと思う」。うなずきながら耳を傾けていた安宅さんは「パンデミックや天災はやってくるし、今ほど難しい局面はない。何か思いきって仕掛けていった方がいい」と、若者へのエールで締めくくった。伊木緑